一杯で変わる店づくり 第六回

「一般社団法人日本のSAKEとWINEを愛する女性の会(通称・SAKE女の会)」は、トータル飲料コンサルタント友田晶子さんが2016年に設立した団体です。「日本のSAKEとWINEで、お・も・て・な・しを世界へ」を理念に掲げ、今年、設立10周年を迎えました。先日開催された記念パーティーには、酒蔵や飲食店、流通関係者をはじめ、全国各地で活動する多くのSAKE女が集い、この10年間の歩みを祝福しました。現在では会員数は3,000名を超え、日本産酒類の魅力を国内外へ発信する大きなネットワークへと成長しています。
「SAKE女の会」は、日本酒をはじめ、焼酎、ワイン、ウイスキー、ビールなど、日本で生まれるさまざまな酒類と、その周辺文化を愛する女性たちのコミュニティです。産地を訪ねて造り手と交流したり、学びを深めたりしながら、得た知識や経験を日々の暮らしやおもてなしに生かすことを目的としています。そして、日本産酒類の魅力を伝え、おもてなしができる女性を「SAKE女」と呼んでいます。
友田さんがSAKE女の会を立ち上げた背景には、日本産酒の魅力を、女性ならではのおもてなしの感性やコミュニケーション力を生かして国内外へ発信し、その価値を次世代へつないでいきたいという強い思いがありました。酒蔵と飲み手を結び、日本の酒文化を育てる「伝え手」を増やしたい。そんな願いから、この活動は始まったのです。
その活動を象徴する取り組みの一つが、女性審査員による日本酒とクラフトサケを対象とした「Japan Women,s SAKE Award 美酒コンクール」です。このコンクールでは、一般的な特定名称酒による分類ではなく、「フルーティー」「ライト&ドライ」「リッチ&ウマミ」「エイジド」「スパークリング」「ロウ・アルコール」といった、飲み手に分かりやすい香味タイプ別に審査・表彰していることが大きな特徴です。
この考え方は、飲食店にとっても大きなヒントになるのではないでしょうか。お客様に日本酒をおすすめする際、「純米吟醸だから」「生酛だから」と説明するよりも、「爽やかで軽快な味わい」「旨味がしっかりと感じられるタイプ」といった味わいの特徴から提案したほうが、お客様は自分好みの一杯をイメージしやすくなります。日本酒に詳しい方はもちろん、これから日本酒を楽しんでみたいという方にも寄り添える提案方法として、飲食店でも十分に参考になる考え方ではないでしょうか。
なお、「Japan Women,s SAKE Award 美酒コンクール」の受賞酒の多くは、庄司酒店でも取り扱われています。ぜひ一度チェックしていただき、お店の日本酒選びや、お客様へのご提案の参考にしていただければと思います。
SAKE女の会がこの10年間で育んできたのは、単なる日本酒ファンのコミュニティではなく、「学び、伝え、人をつなぐ」という文化です。お酒を通じて人と人が出会い、笑顔が生まれ、日本の食文化やおもてなしの心が次の世代へ、そして世界へと受け継がれていく─。その姿勢は、お客様に料理とともに感動を届ける飲食店の皆様の役割とも重なります。日本産酒類の魅力を伝える仲間の輪は、これからもさらに広がり、日本の豊かな酒文化を未来へつないでいく大きな力になっていくことでしょう。
