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データで知る酒類業界の“今” 2026年5月

データで知る酒類業界の“今” 2026年5月

最新の市場データをもとに、消費者の動向やトレンドに注目することで、酒類業界の“今”を追っていきます。今回は、2025年の県庁所在市別における1世帯当たりの「飲酒代」ランキングに着目し、地域ごとの消費傾向を分析します。外食における飲酒支出と家庭内での酒類消費を合算した本データからは、単なる支出額の多寡だけでなく、「外飲み」と「家飲み」のバランスや、その変化の兆しも読み取ることが可能です。本稿では、ランキング上位都市の傾向を軸に、現在の飲酒市場の実態とその背景を紐解いていきます。

今回のテーマは、2025年年間の県庁所在市別1世帯当たり「飲酒代」ランキング

2025年年間の県庁所在市別1世帯当たり「飲酒代」ランキング

データから読み取れるポイント

分析①:上位都 は“外飲み+家飲み”の総合力が高い

✓特に熊本市・福島市・佐賀市といった上位都市では、 外食での飲酒支出と家庭内消費の双方が高水準で 推移。
▶単なる外飲み文化ではなく、「日常的に酒を楽しむ習慣」が根付いて いる地域といえる。

分析②:外飲み比率の地域差が顕著

✓例えば高知市・宮崎市などは外飲み比率が高く、“外で 飲む文化”が色濃い一方、新潟市・秋田市などは家 飲み比率が高い傾向。
▶同じ上位圏でも飲酒スタイルは大きく異なる。

分析③:首都圏は安定型だが突出はしない

✓東京都区部・横浜市・さいたま市などは一定水準の 支出を維持するものの、ランキング上位の地方都市ほど の突出は見られない。
▶所得水準の高さに対し、支出が分散している構造。

分析④:家飲みの伸びが全体を押し上げている

✓特に札幌市・仙台市・新潟市などでは家飲み支出の 伸びが顕著。
▶気候要因や生活スタイルも影響し、“家でゆっくり飲む”消費傾向が 強まっている。

分析⑤:地方都市の存在感の強さ

✓トップ10には熊本市・福島市・佐賀市・山口市など地方 都市が多くランクイン。
▶外食価格の手頃さや地域コミュニティの強さが、飲酒機会の多さ につながっている可能性。

[総括] 今後の展開

本データからは、日本の酒類消費が「量から質」へ、さらに「場所の多様化」へと移行している構造が見て取れます。特に地方都市では、外飲み文化の根強さに加え、家飲みの定着が重なり、総支出を押し上げています。
一方で都市部では、選択肢の多様化や節約志向により、飲酒支出は相対的に抑制傾向にあります。今後の酒類業界にとって、“どこで・誰が・どう飲むか”を捉え直すことが、次の成長機会につながる重要な視点となるでしょう。

【参考・出典】 日刊醸造産業速報2026年2月20日(第18478号)