食あればワインあり、友あればスピリッツあり 2025年9月

××月××日 ウンブリアのスターワイン、ルンガロッティを愛でる
ヒュー・ジョンソンはジョルジュ・ルンガロッティ氏について「世界のワイン産地図に“ウンブリア”を書き入れた人物」と評し、ニューヨークタイムズはルンガロッティの博物館を「イタリア最高のワイン博物館」と称えた。人口6000人ほどの小さな村からルンガロッティがジョルジュの力によって世界に羽ばたいた。私にとっては1981年からルンガロッティで開催されたイタリアワイン審査会に何度か参加した思い出深いワイナリーでもある。さて、ジョルジュの後を継いだキアラ女史が来日し、ワインメカーズディナーが広尾のメログラーノで開催された。新しい場所に移転したばかりで、キッチンで後藤シェフがきびきび動く姿を眺めながら、上質なイタリア料理が味わえる。
最近、スパークリングを造るワイナリーが増えてきた。シャルドネ90%、ピノ・ノワール10%で熟成30か月の2018ヴィンテージ。マグナムでサーヴィスされると、その品質にただただ驚かされた。ウンブリアの家庭料理、「そら豆のスカファータ、ブルスケッタ添え」に続いて、「トリフのタルトタタン・フォンドゥータ添え」がトルジャーノ・シャルドネ・オウレンテ2020に合わせて出された。ウンブリア州は黒トリフの産地でもある。トリフをふんだんに使い、伝統料理を引き立てている。そして赤の代表、モンテファルコ・ロッソ・リゼルヴァ2020には後藤シェフが自ら作った豚ほほ肉のパンチェッタをふんだんに使った素晴らしいパスタが出された。私はこのパンチェッタが大好きで、イタリアンレストランで良くお願いするが、後藤シェフの味わいはパスタにするのがもったいないと思ってしまった。バラ肉をパンチェッタにする過程で“うま味”が凝縮されていくのであろう。ワインとの相性も最高であったことは言うまでもない。最後は鳩のロースト・ギオッタソース。これもウンブリア州のローストした肉に合わせる伝統的なソースで、ヴィネガー、ワイン、香草などをオリーブオイルで煮詰めて作り、見た目より酸味が味わいを引き立てる。ルンガロッティの最高のワイン、ルベスコ・リゼルヴァ・ヴィーニャ・モンテッキオ トルジャーノ・ロッソ・リゼルヴァ2018と合わせた。サンジョヴェーゼ100%、樽熟12ヶ月、その後瓶熟3年を経てリリースされた。スミレの香りを持つエレガントさと樽による複雑さが調和し、気品あふれる味わいのワインでした。27歳の若さでCEOとなり、既に25年が経ったキアラ・ルンガロッティ氏。ワイン業界で女性が活躍する時代の象徴です。
〈Melograno(メログラーノ)〉 東京都渋谷区広尾5-24-2 TEL:03-6459-3625

××月××日 鮎尽くしを伊豆に求める
日本には決まった季節にしか食べられない旬の食材がいくつもある。だからこそ、それを求めて美味を追求する。春の山菜が終わり、筍が終わりを告げ、稚鮎だった鮎は立派な成魚になる。まずは、とれたてだから頂ける、鮎のあらい(おさしみ)から始まった。そして、焼き、南蛮漬けと続き、最後に鮎が泳いでいるような、鮎雑炊で〆てもらった。ここで、ワインが出てこないのが残念だが、鮎と一緒に、アルバリーニョを使った、リアス・バイジャスやヴィニョー・ヴェルディをしっかりと冷やして、一緒に飲みたかった。磯の香りが一杯でミネラル感あふれるアルバリーニョが私の頭から離れなかった。ギリシャの固有品種アシルティコから造ったサントリーニ島のミネラリーなワインも脳裏を横切った。今回は伊豆の地酒「あらばしり」を頂いた。勿論、ペアリングは最高でした。
〈鮎茶屋〉 静岡県伊豆の国市大仁440 TEL:0558-76-5222

