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食あればワインあり、友あればスピリッツあり 2025年3月

食あればワインあり、友あればスピリッツあり 2025年3月

××月××日 1年に1度の贅沢をシャンパーニュ・アイ村のHENRI GIRAUDで味わう

シャンパーニュ地方に小さな町アイ村がある。マルヌ川に沿って作られた運河沿いの美しい村、そしてそこには話題のメゾン、アンリー・ジローがある。ワイナリーの片隅に小さいが素敵なオーベルジュが建っており、そこではシャンパーニュ視察の疲れを癒す、最高のもてなしが待っていた。まずは、食事の前に個室サウナで身体をピュアにし、シャンパーニュにマリアージュさせた料理の数々を楽しむひと時のスタートである。静かにゆったりとしたソムリエの説明そしてサーヴィスが何とも心地よい。最初の“MV20”は2020年の原酒60%とリザーブ40%、ピノ・ノワール80%とシャルドネ。合わせた料理はメルテンシア(オイスターリーフ)の上に山羊のチーズそしてフォアグラのアペリティフ。次のピノ・ノワール80%とシャルドネの“Esprit Nature”はいんげん豆と多くのハーブをやや苦みのあるグリーンのソースで仕上げた健康に良さそうな野菜料理とともに味わった。そして徐々にワインもしっかりとしてくる。桜鯛に合わせた“Blanc de Craie”はアイ村の石灰質土壌の特徴が良く出ている。今日はシャンパーニュ縛りのディナーですから、メインの仔牛のローストに何をあわせるか興味があった。日本でも人気の“Hommage au Pinot Noir”はアイ村のピノ・ノワールだけで造った骨格のしっかりとしたシャンパーニュというよりも、ワインと言ったほうが良いかもしれない。ご存じのようにアイ村は力強いピノ・ノワールの聖地としても知られアンリー・ジローの他、ボランジェ、ラリエ、アヤラ、コレなど力強くもエレガントなメゾンが並んでいる。これで終わりではない。“Dashi”が出てきた。日本料理の手法の追い鰹なのか?しっかりとした出汁のジュレがかかったツナ、キャビアにチャイブ。この日本料理にはピノ・ノワール80%とシャルドネ20%のリザーブワインだけで造った“PR90-20”。出汁に負けない強さが印象的だった。日本を意識し、最後はお米料理。赤海老とサフランで煮込んだ炊き込みご飯にはチョリソーが添えられていた。そしてどこで出てくるのかと思っていた、ロゼの“MV Rosé”が憎いところでサーヴィスされた。400年もの歴史のあるこのメゾンが2014年から創り出した傑作でもある。アンリー・ジローの6種類を満喫し、“ラタフィア・シャンパーニュ・ソレラ90-19”で、静寂なアイ村の晩餐が終わった。

××月××日	1年に1度の贅沢をシャンパーニュ・アイ村のHENRI GIRAUDで味わう

××月××日 一杯のカクテルで友達になる幸せ

一人でレストランに入ることや、一人でバーに行くのは得意ではない、というよりその楽しみを感じない方である。が、出張でどうしてもご一緒する方がなく、一人の時があります。札幌で定宿にしている老舗ホテルには素敵なバーがあり、イタリアの友人とご一緒したときにニッカウヰスキーをボトルキープすることになった。そして、一人で行く機会ができた。仕事を片付け、寝る前に少し飲みたくなった。バーに入るなり「田辺様お待ちしておりました。」と声をかけられた。なんと、ボトルキープの宿泊客があった場合は、フロントから連絡があるそうだ。そして、カウンターで一人素晴らしいバーテンダーとお話をしながら最初に頼んだのがこの一杯だった。無色のテキーラに梅を漬け込みおいておくと、「テキーラ梅酒」が出来上がるそうだ。テキーラに少し甘さがあるので、エキスが抽出されるとの説明があった。私はタンカレーに氷砂糖と蜂蜜を入れて梅酒を作っているので非常に興味を持ったのである。さて、この梅漬けテキーラをベースにマティーニ風に楽しめるカクテルが登場し、梅好きの私にはたまらないカクテルであった。

××月××日 一杯のカクテルで友達になる幸せ
田辺由美 プロフィール (JSA認定 シニア・ワインアドバイザー)