お酒とマナーのマリアージュ 第3回

皆さま、こんにちは。
お酒とマナーのマリアージュへようこそ。
しとしとと降る雨が続く梅雨の季節。湿気の多いこの時期は、どのような心くばりが求められるでしょうか。「雨の日は憂うつ」と感じる方も多いかもしれませんが、雨の時期だからこそ、もてなしの工夫次第で、お客様に、特別な時間を提供することができます。
〈雨の日のもてなし〉
•+アルファのひとこと
「雨の中お越しいただき、ありがとうございます。」「お足元の悪い中、お越しいただき、ありがとうございます」という一言は、お客様にとってうれしい心遣いです。
さらに、お帰りの際に、「お気をつけてお帰りください」とことばを添えることで、好印象を残し、次回の来店につながることもあります。
•傘の取り間違いを防ぐ
傘立てを用意する場合は、番号札やタグをつけると間違いを防ぐことができます。また、ビニール袋を用意し、店内へ持ちこんでいただくのもよい方法です。
最近では、雨の日に来店したお客様に、限定特典やサービスを提供するお店もあります。これも、雨の日ならではの工夫ですね。
•コートや荷物のあつかい
コートハンガーや荷物の収納スペースがあると、お客様が安心して過ごせます。濡れた衣服やバックを拭くためのタオルを用意すると、更に丁寧な対応となります。あるレストランでは、雨の日に訪れたお客様に、濡れた傘を拭いてお渡しする心遣いがありました。「外は雨でも、ここでは安心して心地よい時間を過ごせる」と思わせる工夫はサービスの品質を高めます。
•床の安全策
雨の日は、床が滑りやすくなるため、吸水性の高いマットを入り口に置くとよいでしょう。また小まめにゆかを拭くことで、安全で清潔な空間を保つことができます。店内の温度調節やリラックスできるBGMなど、快適な空間づくりも大切なポイントです。
〈雨の日に楽しむお酒〉
•雨の日の嗅覚の変化
雨の日には、いつもより、香りが際立つお酒を楽しむのがおすすめです。湿度が高いと、空気中に水分が多く含まれ、香りの分子が広がりにくくなります。一方で、鼻の粘膜が湿ることで、匂いをキャッチしやすくなり、普段より繊細な香りを感じることができます。
また、匂いは脳に直接伝わるため(わずか0.2秒)、記憶と結びつきやすいと言われています。たとえば、ある香りを嗅いだ瞬間に、過去の出来事がふっと思い出されることはありませんか?お酒の香りもまた、特別な思い出と結びつくもの。雨の日に楽しんだワインや日本酒の香りが「あの素敵な時間」として記憶に残ることもあるでしょう。この特性をいかして、雨の日のおすすめのお酒を選ぶのも、特別なひとときを演出する方法のひとつです。
•雨の日におすすめのお酒
▶ワイン
ブルゴーニュの赤ワインやオールドビンテージのワインなど、複雑な香りを持つものがおすすめです。湿度の高い日は、ワインの香りがより深みを増し、芳醇な香りを楽しむことができます。
▶日本酒
雨の日には、薫り高い純米酒や吟醸酒がぴったりです。
キリっと冷酒で楽しむのもよいでしょう。温めた日本酒もしっとりとした雨の日の雰囲気に合います。
•香水の使い方には注意
湿度の高い日には、香水の香りも強くなりやすくなります。繊細なお料理やお酒を楽しむ場では、香水を控えめにするのが、スマートなマナーです。
例えば、乾燥しているヨーロッパでつける量の香水を、そのまま湿気の多い日本でつけると、香りが立ちすぎることもあります。お酒やお料理を楽しむためにも、香水は控えめがよいでしょう。
〈梅雨の由来と梅酒の楽しみ方〉
•梅雨の意味
「梅雨」という言葉は、「梅の実が熟す時期の雨」を意味するといわれています。中国から伝わった言葉で、中国語でも「梅雨」と書き、同じ意味を持ちます。
•梅酒を楽しむ
梅酒は青梅を漬け込み熟成させることで、フルーティな香りと爽やかな酸味を引き出します。湿気の多い季節には、梅酒をロックやソーダ割で楽しむのもよいですが、日本酒やワインのように、香りの変化を意識して味わうと、新しい発見があるかもしれません。
梅雨の季節は、雨の日ならではのもてなしを提供し、お酒の香りの魅力を伝えることで、お客様に特別な時間をお届けできるでしょう。
匂いは記憶と結びつく特別な感覚です。
憂うつになりがちな雨の日ですが、「雨の日だからこそ楽しめるお酒」をお店のもてなしに取り入れてみてはいかがでしょうか。
