好きを知るきっかけは身近にある

私には、長い付き合いの友人たちがいる。幼い頃はお互いの家や近くの公園などでよく遊んでいた。そんな友人たちと私は大人になった。子供の時より遊ぶことはなくなったものの、同窓会や友人との集まりで度々会うことはあった。
そんなある日、数人で昼呑みをしようという話になった。お酒を飲むとすれば夜が基本だった為、私含め友人たちは普段とは違う飲み方に賛成し、休みを合わせ昼から吞むことになった。とはいえ、幼い頃はまだしも大人になった今、それぞれの好みはあまり分からない。食べ物はアレルギーや幼い頃から苦手なものなどがある為なんとなくは把握しているが、お酒となるとそうはいかない。飲めるようになって数年しか経っていない為、どんなお酒が好きでどんなお酒が苦手かはよく知らない。こんな時「とりあえず生で」という言葉が便利なのだなと実感した。
何件かお店をはしごしながら飲み歩き、そろそろお開きにしようかというところで、友人の一人が「あの蕎麦屋の天ぷらが美味しい」と言う。締めにもいいかもと思い、向かうことにした。到着し、メニューを見ていると「これ好きなんだよね」と友人が頼んだものが〟だいやめ〝だった。私自身、焼酎や日本酒は苦手意識がありあまり飲んだことがなかった。だが、その時は何故か飲んでみようと思い私も頼むことにした。料理とお酒が届き、乾杯をしてだいやめを口にする。するとどうだろう。苦手だと感じていた焼酎の強いアルコール感は無く、むしろ華やかで紅茶のような甘味のある香りが鼻から抜けていく。初めての感覚につい「美味しい」と口からこぼれ、友人からはそうだろうと笑われた。
その日から、焼酎や日本酒を少しずつ飲むようになった。元々苦手だと思っていた分、いいところもわかるようになってきた。いつか好きと言えるお酒に出会えるまで、この縁を繋いでおこうと思う。
庄司酒店N