食あればワインあり、友あればスピリッツあり 2026年9月

××月××日 ポルトガルワインと和食のペアリング @セルリアンタワー東急
ポルトガルワインと和食のペアリングセミナーを体感するのは勉強になります。今年は、セルリアンタワー東急で、和食とポルトガルから送られてきた白ワインをゆっくりと味わうことができ、日本市場でポルトガルワインはもっと伸びる可能性を感じることができました。ポルトガルと日本の食文化の関係は誰もが知っているカステラや金平糖が有名ですが、それだけでなくワインはポルトガルのVino Tinto(ヴィーノ・チント)が起源でチンタ(珍陀)酒と呼ばれており、日本に初めて入ってきたのは間違いなくポルトガルワインです。長崎の出島が唯一の貿易港だったこともあり、16世紀半ばから江戸時代初期にかけて行われた、ポルトガル人やスペイン人との貿易を南蛮貿易と言い、南蛮貿易を通じて日本にもたらされた西洋食文化の代表がカステラや金平糖です。
さて、前置きが長くなりましたが、今回の先付の胡麻豆腐とズワイ蟹に合わせたのはポルトガルを代表するヴィーニョ・ヴェルデAmeal Reserva 2022 Esporão。フレッシュなタイプで爽やかさが最初のグラスにぴったりでした。続いて金目鯛、イサキ、平貝のお刺身にはCarm Rabigato 2023。ポートワインの原料を造るドウロ地方は最近スティルワインが多く造られるようになり、赤ワインだけではなく白にもびっくりするほどの品質のワインが造られるようになりました。日本だけではなく、デザートワインの需要が伸び悩んでいるなか、本来持っているぶどうの素質を活かしたスティルワインは滋味があり、しっかりとした味わいの白となります。今回の魚もあっさりというよりはそれぞれしっかりとしていて、ミネラル溢れるワインによく合いました。そして、鰻の茶わん蒸には木の芽が添えられ、上品でありながらも味わいが豊かな料理が出てきました。これには、私の大好きな品種エンクルザードから造られた、ダンのワイン、Fonte do Ouro Encruzado Reserva Especial 2024。樽での熟成がしっかりとありながらも、エレガントで調和の取れた素晴らしいワインでした。日本とポルトガルの食文化のマリアージュはあまりにも豪華すぎました。

××月××日 仕事後のカクテルは、心を癒すアイアン・レディ
前回のコラムで、ギムレットを楽しんだ話を書きました。その時に次に飲んでみたいカクテルとして、アイアン・レディを上げたと思います。「鉄の女」として英国を率いたマーガレット・サッチャー首相の名前が由来と言われています。サッチャー首相が愛飲していたのかはよくわかりませんが、非常に気になるカクテルでした。ところが、材料は意外とシンプルで、ウイスキー、ポートワインそしてドライベルモットです。ベルモットの心地よい苦みとポートワインのほのかな甘さと香りがウイスキーに溶け込んで、ゆっくりと時を忘れて楽しめます。アルコールは高めですが、その味わいのバランスにすっかりとりこになりました。なんとその日はこのカクテル一杯で、友との長話となってしまいました。

