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シェリー 164 - シェリーグラス

シェリー 164 - シェリーグラス

 シェリーを飲むとき、どんなグラスを使っていますか? “シェリーグラス”ですか?  
では日本で“シェリーグラス”と言われるものはどんなタイプのグラスなのでしょうか?ネットで検索してみました。  
まず出てきた某社のサイトにはかなりの数の“シェリーグラス”が並んでいます。その最初がリーデルのソムリエ・シリーズのシェリーグラスです。なぜかテキーラと共用です。190㎖。その後には小さなリキュールグラスが続きます。50㎖、75㎖、90㎖。  
次のサイトの最初にシェリー用として出ているのが、コーディアルグラス・ステム付きショットグラスで、これもテキーラと共用です。容量50㎖。  
その次のサイトにもたくさんの“シェリーグラス”が掲載されていますが、その最初はシェリーグラス 木村硝子店 プラチナ。4オンス=約115㎖。  
他に、お値段がかなり張りますが、ロブマイヤー バレリーナ シェリーグラスというまさにバレリーナのようにスマートな美しいスタイルのグラスもありました。120㎖。  
ということで、日本ではありとあらゆるサイズの、様々なデザインの“シェリーグラス”が販売されています。スペインよりずっと豊富です。スペインでは、シェリーはアンダルシアの西の端のヘレス地域の地ワインにしかすぎないからだと思います。一方シェリーは歴史的に海外市場に強いので、イギリスをはじめとする外国の文化に溶け込んだ、その他のワインとは別の世界を持っているワインと言えます。50㎖、75㎖といったごく小さなリキュール用カットグラスでシェリーを飲む場面はイギリス映画に出てきます。日本もそれを受け継いでいるので、小さいサイズの”シェリーグラス”がたくさんあるのでしょう。  
ではシェリーを地ワインとするヘレスの“シェリーグラス”とはどんなものでしょうか。  
2026年、ヘレスの市民が入るバルでシェリー(タイプ名で注文すること!)を頼むと出てくるのはカタビノのサイズのグラスです。カタビノというのはテイスティング・グラスの意味です。原産地呼称統制委員会のオフィシャルなグラスもかつてはこのサイズでした。170㎖。これに100㎖ぐらい注いでくれます(写真右から2番目)。けれども少しランクが上のレストランやシェリーのメーカーに行くと、白ワイングラス程度の大きさのグラスが出てきます。300㎖。これが現在のテイスティング・グラス=カタビノです。(写真右)  
ただ、昔はもう一つ小さいサイズのコピータがありました。コピータはコパ(=グラス)という言葉の指小辞です。実際に小さいグラスで100㎖。脚付きのグラスです。(写真左から2番目)   
もう一つ、脚なしのグラスがあります。カーニャです。量り売りシェリーを出すバルで今も使われています。マンサニーリャの産地サンルーカルでの方が多く使われています。これは80㎖。(写真左) スペイン製のグラスの容量は私が持っているグラスの容量を実際に計った結果なので、メーカーによって多少差があると思います。  
結果として、グラスはあまり気にする必要はないかもしれません。自分がどのタイプのシェリーをどんな状態で飲んだら美味しいと感じるかがポイントです。お好きなタイプのシェリーをお手持ちの様々なタイプのグラスでいろいろお試しください。面白い発見があると思います。

明比 淑子 氏