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お酒とマナーのマリアージュ 第1回

はじめまして。 お酒とマナーのマリアージュへようこそ。

 皆さま、はじめまして。  
今号からコラム「お酒とマナーのマリアージュ」を担当いたします、Aikosmic株式会社代表の愛甲香織と申します。  
私は29年間、客室乗務員として世界を飛び回り、さまざまな国や地域を訪れ、多くの人々と出会ってきました。その中で、異なる文化や習慣に触れながら、「人はそれぞれ異なる価値観や背景を持っている」ことを実感しました。ひとりひとりが違うからこそ、お互いを尊重し、理解し合うことが大切です。そして、その気持ちを形にするため、私が最も大切にしてきたものが「マナー」です。  
皆さんは「マナー」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?例えば、飲食のサービスにおいて、「お料理は、お客様の左から、飲み物は右から出す」「ワインの抜栓方法」など、形としてのルールを想像されるかもしれません。もちろん、こうした手順も大切ですが、私が客室乗務員時代に学んだのは、マナーの本質とは「相手を大切に思う気持ち」「感謝の気持ち」を形にすることだということです。  
例えば、お客様に料理を美味しく召し上がっていただけるように、冷たいものは冷たく、温かいものは温かく提供する、グラスが汚れていないか確認してお出しする、目を見て笑顔で話す。―こうした何気ない心配りこそが、相手に「大切にされている」と感じてもらう瞬間につながります。どんなに美しく完璧な所作でも、心がこもっていなければ、それはただの作業になってしまいます。マナーとは、単なる「型」ではなく、「心を伝えるための手段」なのです。  
日本航空を退社後、私は、訪日外国人対応や外国人材育成のコンサルティングに携わるようになりました。この仕事のやりがいは、日本の文化や「おもてなしの心」を海外に伝えられることです。また、少子高齢化が進む日本において、多文化共生の実現に貢献できることも大きな意義を感じています。  
現在の仕事においても、客室乗務員時代に学んだ「マナーの本質」が大いに活かされています。異なる文化や背景を持つ人々と接する際には、相手を尊重し、理解し合うことが何より大切です。信頼関係を築くためには、共感と感謝の気持ちが不可欠であり、それを形にすることが重要なのです。  
このコラムでは、具体的な接客マナーや、お酒を提供する際の実践的なアイディアをお伝えしていきます。例えば、お酒を提供するとき、そのお酒の特徴やストーリーをお客様にお伝えすることで、単なる「商品」ではなく、「体験」として楽しんでいただけます。料理やお酒が、お客様の時間をどのように豊かにし、場の雰囲気を高めるのか—そうした視点を持つことが、リピーターを生む接客の秘訣となります。お店ですぐに使える、実践的で役立つ情報をお届けしていきますので、どうぞお楽しみに。  
私がソムリエや利き酒師、焼酎マイスター、ビアテイスターなどの資格を取得したのも、接客を通じてお酒に込められたストーリーをお客様に伝え、その魅力をより深く感じていただきたいと考えたからです。お酒は、その土地ごとの歴史や風土を映し出すもの。だからこそ、単に「美味しい」だけでなく、「この一杯にどんな物語があるのか」を伝えることで、お客様にその土地の文化を感じていただくことができます。  
私たちが接客で伝えるべきものは、単なる「モノ」ではなく、そこに込められた物語や想いです。  
これからのコラムを通じて、「お酒とマナーのマリアージュ」の魅力を皆さまと一緒に探求していければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

愛甲香織