日本ワイン、再発見 - いま知っておきたい基礎と現在地

歴史をさかのぼると、ワインについての文献の記録では、室町時代の公家日記「後方興院記」の中に「珍陀酒を口にした」というものがあります。
当時としては限定的な海外との交流があったことが考えられますが、この珍陀(チンタ)はポルトガル語でチンタ・ヴィーニョ=赤ワインを意味する言葉の略であると考えられています。
大きく流れが変わるのは大航海時代、海外からの文化が流入するようになる頃。
キリスト教宣教師・フランシスコザビエルが鹿児島に上陸した際には、布教の一環や献上品としてワインを持ち込んでいたことが分かっています。
その後、国内におけるワイン造りや食文化としての定着にはまだしばらく時間を要します。
江戸時代の終わり、明治維新の後には西洋の文化を積極的に取り入れる動きが広まり、その中でワインも発展していきます。
民間では書物や来日外国人の知識をもとにワイン造りを試みる者が現れ、明治政府の下ではフランスへのワイン留学が行われ、のちに国産最初のワイン会社設立へとつながりました。
官民それぞれで広がりを見せるなか、1891年、現在の新潟県上越市に川上善兵衛によって設立されたのが岩の原葡萄園です。
日本でワインを造るにあたり、日本の気候風土に合うブドウ品種開発に力を入れ、のちに日本固有のマスカット・ベーリーA種が誕生します。
一般消費については、高度経済成長期の好景気を背景とした伸び、ボジョレー・ヌーヴォーや赤ワインブームなどのいくつかのブームにより段階的な発展を遂げ、今に至っています。
現在ではサントリー、メルシャン(キリン)、サッポロなどの大手ワイナリーの他、各地に小規模な生産者が多く存在しています。
それぞれの気候に合った様々なワインが生産されており、今後もさらなる拡大が期待されています。
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